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2022.02.10 更新コラム

【コラム】パキシル(パロキセチン)の作用や副作用、やめ方を解説します。

【コラム】パキシル(パロキセチン)の作用や副作用、やめ方を解説します。

1.パキシルの分類

パキシル(成分名:パロキセチン)はS S R I(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という分類に属します。

 

2.パキシルの効果(適応症)

パキシルは、うつ病・うつ状態、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害、外傷後ストレス障害に保険適応されているお薬です。

 

3.パキシルの作用メカニズム

S S R Iという分類のお薬は、セロトニンという脳内の神経伝達物質を増やすことで、効果を発揮します。

セロトニンは、脳内でドーパミンやノルアドレナリンと共に、感情や気分のコントロールに関連している物質です。

うつ病や社会不安障害の症状と、セロトニンの低下が関連していると言われており、パキシルはセロトニンを増やすことでうつ状態や不安な気持ちを改善させていくと言われています。

 

4.パキシルの種類

パキシルは5mg錠・10mg錠・20mg錠

C R錠6.25mg・C R錠12.5mg・C R錠25mg

の6種類の規格があります。(C R錠はうつ病・うつ状態にのみ保険適応)

C R錠は胃で溶けず腸で溶けて、かつ1日を通してゆっくりと成分が放出されるように工夫された錠剤です。一般的にはC R錠の方が、副作用の消化器症状が少ないとされています。

用量が異なりますが、強さとしては10mgとC R12.5mgが同等とされています。

すでにジェネリック医薬品が販売されていますが、普通錠のみで、C R錠にはジェネリック医薬品が販売されていません。

5.パキシルの副作用

S S R Iの特徴として、飲み始めに下痢や吐き気という消化器症状を感じやすいことが挙げられます。これはセロトニンが脳だけではなく、胃腸にも働きを持っているからで、胃を荒らしてしまう強い薬というわけではありません。心配な方は、服用初期に胃薬を一緒に服用することで副作用を感じにくくするという方法もあります。通常は数日から1週間程度で消失する副作用です。

そのほかには性機能障害、体重変化、眠気、頭痛の報告があります。服用していて気になった場合には、自己判断で中断せず医師に相談するようにしてください。

 

6.パキシルのやめ方

パキシルは効果が十分に発揮され、状態がよくなったのを確認してからゆっくりと減らしていくお薬です。

急にやめたり、飲んだり飲まなかったりすると「離脱症状」と言われる耳鳴り・痺れ感・吐き気・頭痛・イライラ・不安感などの症状が出たりします。

医師と相談しながら、焦らず徐々に調節することで、上記のリスクは最小限に抑えられます。

水戸メンタルクリニック 院長/医学博士 高尾哲也

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