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2022.03.18 更新コラム

【連載コラム】働く人のための認知行動療法〜うつからの回復〜 第5回

【連載コラム】働く人のための認知行動療法〜うつからの回復〜 第5回

6.うつ病を理解する

今度はうつ病を理解します。うつ病が分からないまま何かを始めても、何がどうなったか分かりません。まずは自分に起きたうつ病の症状を理解します。うつ症状の理解には心理検査が役立ちます。

うつ病になると様々な症状が出てきます。落ち込みや意欲の低下といった気分面の症状、集中力や判断力の低下といった思考面の症状、そして、疲れや不眠や食欲低下といった身体面の症状と多岐にわたります。うつ病では症状が2週間以上持続することも特徴です。うつ病の知名度は高まっていますが、具体的な症状はあまり理解されていません。そのため、こうした症状により出来ないことが増えると、周囲からは「やる気の問題ではないか」と誤解されてしまうこともあります。そして、うつ病で苦しんでいる本人も「やる気の問題」と誤解して「努力が足りないからうまくいかない」と自分を責め、さらに苦しくなってしまうことがあります。特にうつ病では未来、周囲、自身について否定的な考えが出やすいといわれています。症状を理解していないと「将来も絶望的」「迷惑をかけている」「努力不足」という否定的な思考を事実と誤解して悪循環に入ってしまいます(この点は4章の認知的フュージョンで学びます)。これまで説明してきたように、ストレッサーがあればストレス反応が出ることは自然なことといえます。加えて、うつ病になってしまうのも「こころが弱い」からではなくストレスになる出来事が重なった不幸な結果といえます。適切に理解して対応を検討していきましょう。対応のポイントはストレスの悪循環を継続させないことです。落ち込み、集中力の低下、疲れなどを感じたらその日のうちに十分な休養をとり、長引かせないようにしましょう。早めにストレスに気づきセルフケアをすることで予防や改善に努めます。うつ症状がある場合は定期的に心理検査を実施して症状が改善しているか、あるいは、症状が再燃していないか確かめるようにしましょう。
可能であれば不安尺度であるGAD-7(Generalized Anxiety Disorder -7)も実施してみましょう。研究により差はありますが、うつ病患者のうち50%程度は不安症を併発するといわれています。不安症は見逃されることも多いといわれています。不安症が併発しているときはその対策も必要になります。


(第6回に続く)

認定行動療法士・公認心理師/臨床心理士 岡田

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