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2022.03.23 更新コラム

【コラム】障害者枠で働くときの強い味方「合理的配慮」とは?

【コラム】障害者枠で働くときの強い味方「合理的配慮」とは?

合理的配慮とは、労働者の募集及び採用について、障害者(身体、知的、精神、発達などの障害を持ち、職業生活に制限もしくは困難なもの)が障害者でない者と均等な機会の確保の支障を改善するために行われるものになります。事業主は過重な負担を及ぼすことになる場合を除いて、必要な措置を講じなければならないとされています。
合理的配慮は、障害者枠で働く際のメリットの1つになります。過重な負担を及ぼす場合を除いてとあるように労働者の全ての困りごとに対して措置してもらえるわけではありませんが、自分の力を発揮するために環境を整えることが出来ます。
配慮の例としては採用時に「面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること」や採用後に「業務指導や相談に関し、担当者を定めること」や「感覚過敏を緩和するため、サングラスの着用や耳栓の使用を認める等の対応を行うこと」などがあります。
※これらの配慮が全ての企業で行われているわけではありません。

では、これらの合理的配慮はどのようにして決められるのでしょうか?
合理的配慮は基本的に以下の手続きで行われます。

合理的配慮の手続き
① 障害者から合理的配慮の申出
② 合理的配慮に係る措置の内容に関する話し合い
③ 合理的配慮の確定

まとめると障害者から事業主にどのような配慮が欲しいか伝え、事業主(企業)とすり合わせを行った上で合理的配慮を決定するという流れになります。ブルームには利用者さんと合理的配慮について考えるプログラムがありますが、その中でよく見られることがあります。
1つは困り事で止まってしまっていることです。どういうことかというと合理的配慮は「事業主(企業)にどうしてほしいか」まで伝える必要があります。その「どうしてほしいか」を考えるためには「自分は何に困っているのか」について考えなくてはなりません。この困り事は「自分は○○ができない」、「自分は○○が苦手」という形で表現されることが多いです。困り事まではわかっても、じゃあ企業からどうしてもらえばいいのかを考えることはとても難しいです。利用者さんの多くはこの部分まで考えられていないことが多いように感じます。
合理的配慮について考える際に、まずは自分が働くにあたって「どのようなことが困りごとになるのか」を整理します。次にその困りごとについて、「自分はどのような工夫ができるか」工夫で補えない部分は、「どのような配慮を得られればカバーできるか」を考えます。困りごとで止まってしまっているということは、この「どのようなことが困りごとになるのか」で考えが止まってしまっている状態のことになります。自分はどのようなことに困っているのかは頭に浮かぶが、それに対しての工夫、得られると良い配慮が思い付かないという方が多いです。応募書類や面接など、合理的配慮に関係することを伝える機会があったときに、「私は○○が苦手なので、配慮をいただけるとありがたいです。」と言われた際に、企業側は「どんな配慮をすればいいの?」と思うことになるでしょう。もし仮に企業側が合理的配慮を考えてくれたとしても、自分が望む合理的配慮になるかはわかりません。その後の話し合いもスムーズにいかないことが予想されます。話し合いをスムーズに、自分が希望する配慮を得るために、企業側にどうしていただけるとありがたいかをあらかじめ整理しておきましょう。

おすすめな方法として困りごとの分類です。困りごとは大きく以下の3つに分けられると思います。
1. 我慢できる困りごと
2. 我慢できないけど1人で対処できる困りごと
3. 我慢できないし、1人でも対処できない困りごと

基本的に合理的配慮は3番の困りごとに対して行われることが多いと思います。3番の困りごとの数は人により異なります。複数いる方もいれば、1つもないという方もいるでしょう。もし複数あったときに全てを合理的配慮で補うのは企業としても負担になると思われます。じゃあいくつかは諦めるしかないのかというと、全てがそうではないと思います。もう1つの対策として、「条件として外すこと」です。具体的に言うと、例えば電話応対の業務から外してくれるように合理的配慮を求めるのではなく、そもそも電話応対のない業務に就くということです。電話応対のない仕事であれば、電話応対から外れる合理的配慮は必要ありません。このようにして、合理的配慮の数を減らしつつ、自分が求める働き方に近づけることができるでしょう。

● 自分が働くとなったときに何に困るのか分からない
● 困りごとに対して、どのような工夫や配慮がもらえるかわからない
など、働くことへの不安・困り事がある際には、ぜひブルームまでご連絡ください。

引用文献
合理的配慮指針(2015)厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11704000-Shokugyouanteikyokukoureishougaikoyoutaisakubu-shougaishakoyoutaisakuka/0000078976.pdf

就労移行支援事業所ブルーム 臨床心理士・公認心理師 赤平隼人

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