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2023.12.08 更新レポート

発達障害に関する心理検査、MSPA講習会を受講しました

発達障害に関する心理検査、MSPA講習会を受講しました

日時:2023年11月10日(13~17時)、11日(9~17時)
開催:オンライン
主催:京都国際社会福祉センター

 MSPA(Multi-Dimensional Scale for PDD and ADHD)は、神経発達症の特性を中心とした14項目からなる発達障害に関する心理検査です。14項目は臨床および行動学的な特性で分類されており、PDDの特徴からコミュニケーション、集団適応力、共感性、こだわり、反復運動の5項目、ADHDから不注意、多動性、衝動性の3項目、発達性強調運動障害から粗大運動、微細協調運動の2項目、感覚、睡眠リズム、学習、言語発達歴で構成されます。それぞれの項目は1~5(中間を含める)の計9段階評定で構成されており、レーダーチャートに記入して示すことで、対象者の発達障害特性の強弱について視覚的に把握できるようになっています。

 1日目はMSPAの概要について、開発者ご本人からお話を伺うことが出来ました。MSPAを開発された船曳先生は医療機関受診から支援までの道のりが長いことを問題視されていました。また、診断用のツールの多くは"ASD用""ADHD用"などと分かれており、診断をまたいで個人の特徴を見るツールがないことにも不便さを感じておられました。その中で、診断にこだわらず、個人の特性が理解でき、生活の場で活用できるものとしてMSPAが開発されたようです。

 MSPAの評定には発達障害に精通した専門家による半構造化面接が必要になります。そのため、講習2日目は架空事例を用いて評定練習を行いました。それぞれの項目について自分で評価、その後講師の方からその事例における正解を教えてもらい、評点にズレが生じた理由を理解することを繰り返し行いました。面接内で聞き取るポイントを項目ごとに教えていただき、徐々に誤差内(0.5)に収めることが出来るようになりました。また、他の参加者とグループワークも行いました。普段関わることのなかった他職種の方(私の場合は、医療機関の心理士、教師定年退職後SCとして勤務されている先生、児童発達支援施設の支援員の方がいらっしゃいました)と事例について検討し、色々な視点から支援について考えることができ、貴重な経験でした。

 研修後実際にMSPAの面接を行ってみると、時間に限りがある中で評定に必要なポイントを聞き取ることが難しいと感じました。患者さんの支援につながるよう、研修会で学んだ内容を都度振り返って技術と知識を身につけていきたいと思います。

心理士遠藤 綾乃

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