2025.12.26 更新レポート
周産期メンタルヘルスニュース
周産期全体カンファレンスを開催しました。
日時:2025年12月12日(金)18:30~20:00
場所:水戸メンタルクリニック4F
参加者:(医師)水谷Dr、(心理)岡田、新橋、(看護)岩堀、(事務)久田
内容:
①心療内科での周産期の取り組みについて
・妊産婦と精神疾患について
・妊産婦のメンタル不調を発見したら
・緊急性がある場合
・症状レベルで異なる対応
・当法人での取り組み
②ハイリスク算定者へのカウンセリング実施について
・事例1件
12/12(金)18:30から本院4階にて「周産期カンファレンス全体会」を開催しました。当日は、市町村、医療機関、の方が会場で参加されました。各部署にご協力いただいたおかげで、大きなトラブルもなく、無事に終わることができました。皆様のご協力に感謝申し上げます。
前半は例年とは異なり市町村からの事例検討ではなく、水戸メンタルクリニックで実施している「周産期の取り組みについて」水谷院長よりご講義いただきました。講義後には質疑応答の時間を作り行政や医療機関での困りごと、対応困難であった案件について医師への相談が行われました。医療機関や行政では悩みの内容も異なり医師含め心理側からもアドバイスを行いました。話し合いの中で母親の精神状態のアセスメントについては、何をどんな風に聴いていったらよいのか、どういう仮説を持ってアセスメントに繋げていったらよいのか、精神科受診を勧めたいが本人に受診する意志がないため連携に繋がりにくい、といったケースがありました。受診するメリットをまず見つけてもらう事、受診した方が良いと理解してもらうところからアプローチしていただき必要なサポートも他方から入れていただくことを提案させていただきました。
後半は、産後うつの患者に対する多職種連携の症例提示を行いました。生物学的側面としては産婦人科医・精神科医による診療を実施し、心理的側面では認知行動療法(CBT)を取り入れ、行動変容の促進とスキーマ修正を行いました。さらに社会的側面として保育園利用の支援を導入し、患者の症状改善に繋がった事例を共有しました。
提示後には質疑応答の時間を設け、参加者からは患者相談への対応や、育児に非協力的な父親への関わり方について質問が寄せられました。医療機関と行政では直面する課題が異なるため、医師のみならず心理職からも助言が行われ、意見交換がなされました。
終了後には市町村からは精神科での取り組み、どのような流れで診療しているのかを知ることができ参考になった。心理からの内容はとても分かりやすく相手へのアプローチ方法など参考になった、など多くの声をいただきました。
事例検討も引き続き継続してく予定ではありますが、心療内科ではどのような動きをしているのかを多職種含め関わる方々に知っていただく重要さを感じました。現在妊産婦(精神疾患)夜間救急受入先が少ないため各産婦人科様も連携先に困っている現状もお聞きしました。その場合どちらへ紹介をし、それまでどのような対応をしているのかなど時間ギリギリまでお互いの情報交換も行われていました。
今後も、切れ目のない周産期医療を目指し近隣の行政や医療機関とも情報共有や連携を切らすことなく繋げていくにも1年に1回ではありますがこのような場を提供できるよう周産期サポートの活動を続けていきたいと思いますので、各部門の皆様には引き続きご協力を賜りたく存じます。
医療医務 久田
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