茨城県水戸市梅香1-2-50
TEL:029-246-60332025.01.10 更新レポート
2024年12月1日(日)にNTT東日本関東病院にて開催された「集団認知行動療法研究会 第15回学術総会」に参加いたしました。はじめての研究会参加で緊張しましたが、さまざまな講演、ワークショップ、シンポジウム、さらにはディスカッションの時間もあり、大変実りある時間を過ごすことができました。以下に、プログラムの内容および感想をご報告いたします。
○特別講演「日本における集団認知行動療法の現在、過去、未来」
集団認知行動療法(以下、CBGT)の構築から発展まで幅広くご講演いただき、疾患別のプログラム構成や効果検証、それぞれの施設でのCBGTへの取り組みに関する調査など、データを基にした内容もあり、CBGTの取り組みの現状をより具体的に知ることができました。医療機関におけるCBGTを取り入れることの重要性や現状についても知り、当院リワークにおいてもさらに工夫ができるところはないかということを考えるきっかけとなりました。また、集団で行うことのメリット・デメリットについても、個とその集団への影響は大きいと感じ、実際に当院では30~40人ほどでCBGTを実施しているため、集団で行うことの影響は大変大きいと思われます。当院では、集団でのプログラム実施に加え、個別対応も行うことでデメリットをカバーしていますが、改めて集団による影響を考えさせられました。今後のリワーク運営の参考となる内容でした。
○ワークショップ「CBGTを活用した職場のコミュニケーション支援ー若手社員および管理監督者を対象とした社員研修プログラムー」
CBGTの一次予防の観点から、若手社員および管理監督者を対象とした研修プログラムの一部をご紹介いただきました。ロールプレイやグループ学習などを取り入れており、当院リワークで扱っている内容に近いと感じました。さらに、依頼された企業の職種や実際に研修を行う方々の立場によって、それぞれのニーズに合う形で内容を変えており、より理解が促進されるよう工夫がされていました。リワークは休職・退職されている方を対象としていますが、休職に至る前に何かできなかったのか、と感じることは私自身も多くあります。休職を防止するためにも、一次予防であるこのような社員研修は欠かせず、今後よりニーズが高まっていくであろうと感じました。
○ランチョンセミナー「医療・産業分野における集団認知行動療法の活用例」
医療リワークにおけるCBGTの活用について、具体的な取り組みも含めてご紹介いただきました。興味深かった点としては、復職の目途が立った利用者の方全員を対象に、職場の上司、本人、リワークスタッフで行う復職面談を実施しているというところでした。職場とすり合わせをすることによって、認識のズレを解消できたり、働き始めるイメージが鮮明になったり、情報共有の場ともなり、利用者の方も安心して復職できるだろうと感じました。当院リワークにおいては、人数の関係で全ての方を対象とするのは難しいかもしれませんが、必要に応じて職場との連携を図る重要性を改めて考えさせられました。
○シンポジウム「現在の集団認知行動療法の発展形とその課題」
就労継続や小児科、心療内科におけるCBGTの取り組みについてご紹介いただきました。就労継続においては、利用者の方に職場ストレスをふり返ってもらい、認知再構成法に従い、状況や気分、自動思考ごとに色分けをして区別をするというやり方が紹介されていました。はじめから、気分や自動思考などの項目に当てはめるように書き出してもらうと、なかなか書き出せない利用者の方も多いため、このやり方は当院リワークにおいても活用したいと感じました。また、小児科や心身症の方にCBGTを適用している事例もあり、CBGTの適用範囲の広さに驚きました。その後、ディスカッションの時間もあり、CBGTの適用範囲は広いけれども、あくまで対象者の病理の深さをアセスメントした上で適用可能かどうかの判断をする必要があるというお話もありました。当院リワークにおいても、疾患で制限はしていないため、適用可能かどうかの判断が重要であると感じました。
以上が報告となります。とても内容が充実しており、学びの多い1日となりました。今回学んだことを今後の臨床活動に活かしていきたいと思います。貴重な機会をありがとうございました。
臨床心理士 本田